※最終更新日:2025年8月2日(初掲載:2021年8月)
はじめに
こんにちは、SHOUです。Colabの実験をしていて思わぬエラーに出会うと、「環境が違っているのかな?」と不安になりますよね。実際に私も、ライブラリのバージョンが合わずにコードが動かない経験をしました。そこでこの記事では、Colab上で主要ライブラリのバージョンを確認して、安心して実験を進める方法を紹介します。
確認方法も載せていますので、ご自身で実行する際にも、確認してみてください!
Colaboratoryとは?初心者が5分で使えるノートブック環境
「Pythonをちょっと試したい」「機械学習を勉強したい」と思ったとき、面倒な環境構築は避けたいですよね。
Google Colaboratory(略してColab)は、インストール不要でブラウザ上でコードが書ける非常に便利なツールです。
この記事では、初めてColabを使う人がつまずかないように、基本的な使い方や便利なTipsを紹介します。
主な特徴
- インストール不要: 特別なセットアップや環境構築なしで、すぐにPythonを実行できます。
- 無料: GPUやTPUなどの高性能なハードウェアを無料で利用できます。
- 共有・コラボレーション: 作成したノートブックを他者と簡単に共有し、共同編集できます。
- 豊富なライブラリ: TensorFlow、Keras、PyTorchなどの主要なライブラリがプリインストールされています。
- 豊富なチュートリアル: 機械学習やデータ分析に関するチュートリアルが豊富に用意されています。
用途
- 機械学習: ニューラルネットワークの構築、モデルの訓練、評価
- データ分析: データの読み込み、クリーニング、分析、可視化
- 教育: 機械学習やデータ分析の学習
- プロトタイピング: アイデアの検証、プロトタイプの作成
Google Colab のハードウェアアクセラレータについて
Google Colaboratory(Colab)では、ハードウェアアクセラレータとして、GPU(Graphics Processing Unit)と TPU(Tensor processing unit)を無料で使うことができます。暗号通貨のマイニングに使用することはできないないなどの制限はありますが、ちょっと触ってみる分には十分だと思います。
詳細な使用条件等については、 よくある質問 を参照してください。
GPUとTPUの違い
- GPU(Graphics Processing Unit):並列計算が得意で、多くの深層学習モデルに向いています。
- TPU(Tensor Processing Unit):Google独自のアクセラレータで、TensorFlowに特化しています。特定のモデルではGPUより高速になることもあります。
Google ColabでGPU・TPUを使う方法
Google Colaboratory(Colab)では、無料でGPUやTPUを利用してPythonコードを実行できます。 ディープラーニングや大規模なデータ処理を行う際には、これらのハードウェアを使うことで学習時間を大幅に短縮できます。
実際の使用方法
個別ノートブックごとに設定することができ、 [ランタイム] - [ランタイムのタイプを変更] より変更します。 ハードウェアアクセラレータは None 、GPU 、 TPU から選択することができ(デフォルトは None)、選択後、[保存]を押すとリソースの再割り当てが行われます。TensorFlowからGPUを使用できているか確認
TensorFlowからGPUが使用できているか、以下のコードで確認することができます。実際に、設定を切り替えて確認してみました。
確認するコード
from tensorflow.python.client import device_lib device_lib.list_local_devices()
ハードウェアアクセラレータが None の場合
ハードウェアアクセラレータが None の状態での実行結果です。device_type が CPU のみになっています。
実行結果
[name: "/device:CPU:0" device_type: "CPU" memory_limit: 268435456 locality { } incarnation: 4215876578589703592]
ハードウェアアクセラレータが GPU の場合
ハードウェアアクセラレータが GPU の状態での実行結果です。device_type が CPU に加えて、 GPU も追加されていることがわかります。
実行結果
[name: "/device:CPU:0" device_type: "CPU" memory_limit: 268435456 locality { } incarnation: 5488461665986765567, name: "/device:GPU:0" device_type: "GPU" memory_limit: 14509932544 locality { bus_id: 1 links { } } incarnation: 1739823294434788088 physical_device_desc: "device: 0, name: Tesla T4, pci bus id: 0000:00:04.0, compute capability: 7.5"]
ハードウェアアクセラレータが TPU の場合
ハードウェアアクセラレータが TPU の状態での実行結果です。device_type が CPU のみになっています。
このコードでは、 TPU については確認することができないようです。
実行結果
[name: "/device:CPU:0" device_type: "CPU" memory_limit: 268435456 locality { } incarnation: 1062555679917502575]
TensorFlowからTPUを使用できているか確認
TensorFlowからTPUが使用できているか、以下のコードで確認することができます。確認するコード
import tensorflow as tf try: tpu = tf.distribute.cluster_resolver.TPUClusterResolver() # TPU detection print('Running on TPU ', tpu.cluster_spec().as_dict()['worker']) except ValueError: raise BaseException('ERROR: Not connected to a TPU runtime; please see the previous cell in this notebook for instructions!') tf.config.experimental_connect_to_cluster(tpu) tf.tpu.experimental.initialize_tpu_system(tpu) tpu_strategy = tf.distribute.TPUStrategy(tpu)
エラーが発生しなければ、TPUを使用できていることになります。
実行結果
Running on TPU ['10.44.115.162:8470']
まとめ
GPUやTPUを上手く使い分けることで、Colabでの機械学習やデータ処理が格段に効率化できます。
本記事では筆者が実際に遭遇した制限やコツも交えて解説しました。これからColabを活用する方は、ぜひ設定方法と注意点を押さえておきましょう。
よくあるトラブルと対処法
Q: tf.__version__が古い数値を返す?
A: セルがキャッシュされている可能性があります。ノートを再起動するか、ランタイムをリセットしてください。
Q: バージョン確認後にエラーが出た
A: `!pip install`で強制インストールし、`ランタイム > 再起動` することで解消することが多いです。
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