※最終更新日:2025年7月31日(初掲載:2020年5月)
ColabのCUDAバージョンは、Googleの環境更新スケジュールやGPUリソースの変更によって予告なく変わります。私が検証した限り、月単位で微妙なバージョン差が出ることがあり、ライブラリ動作に影響するケースもありました。本記事では、公式の確認方法に加え、実運用で役立つ注意点も解説します。
はじめに
こんにちは、SHOUです。Colabの実験をしていて思わぬエラーに出会うと、「環境が違っているのかな?」と不安になりますよね。実際に私も、ライブラリのバージョンが合わずにコードが動かない経験をしました。そこでこの記事では、Colab上で主要ライブラリのバージョンを確認して、安心して実験を進める方法を紹介します。
今回は「Google ColabのCUDAバージョン」に注目しました。CUDAはGPUを使った処理に不可欠ですが、そのバージョンによってライブラリの互換性が左右されることもあります。
本記事では、CUDAバージョンの確認方法・その重要性・よくあるトラブルへの対応法をまとめました。これを押さえるだけで、 学習エラーの多くを未然に防ぐことができます。
Google Colabとは?
Geminiによると、Google Colab(正式名称:Google Colaboratory)は、Google Researchが提供する無料のクラウド型Python実行環境です。
主な特徴
- インストール不要: ブラウザだけですぐにPythonを実行できます。
- 無料でGPU/TPUが使える: 高性能なハードウェアを追加コストなしで利用可能です。
- 共有と共同編集: 作成したノートブックを他人と簡単に共有できます。
- ライブラリが豊富: TensorFlow、Keras、PyTorchなどが初期状態で利用可能です。
- チュートリアルが充実: 機械学習やデータ分析の教材も豊富です。
主な用途
- 機械学習: ニューラルネットワークの構築・学習・評価
- データ分析: データの前処理、可視化、分析
- 教育: 機械学習・Pythonの学習ツールとして
- プロトタイピング: アイデア検証やPoC開発
CUDAのバージョン確認方法
Google Colabで現在使われているCUDAのバージョンを確認するには、以下のコマンドを実行します。
コマンド
!nvcc -V
!
は、Colab上でシェルコマンドを実行するために必要です。
実行結果(2025年7月時点)
nvcc: NVIDIA (R) Cuda compiler driver
Copyright (c) 2005-2024 NVIDIA Corporation
Built on Thu_Jun__6_02:18:23_PDT_2024
Cuda compilation tools, release 12.5, V12.5.82
Build cuda_12.5.r12.5/compiler.34385749_0
この結果から、現在のCUDAバージョンは 12.5 であることが分かります。
過去のCUDAバージョン(私の検証記録)
2025年5月の実行結果
nvcc: NVIDIA (R) Cuda compiler driver
Copyright (c) 2005-2024 NVIDIA Corporation
Built on Thu_Jun__6_02:18:23_PDT_2024
Cuda compilation tools, release 12.5, V12.5.82
Build cuda_12.5.r12.5/compiler.34385749_0
2024年6月の実行結果
nvcc: NVIDIA (R) Cuda compiler driver
Copyright (c) 2005-2023 NVIDIA Corporation
Built on Tue_Aug_15_22:02:13_PDT_2023
Cuda compilation tools, release 12.2, V12.2.140
Build cuda_12.2.r12.2/compiler.33191640_0
当時は CUDA 12.2 が使用されていました。
2021年12月の実行結果
nvcc: NVIDIA (R) Cuda compiler driver
Copyright (c) 2005-2020 NVIDIA Corporation
Built on Mon_Oct_12_20:09:46_PDT_2020
Cuda compilation tools, release 11.1, V11.1.105
Build cuda_11.1.TC455_06.29190527_0
当時は CUDA 11.1 が使用されていました。
なぜCUDAバージョンを確認すべきなのか?
- ライブラリ(TensorFlow/PyTorch)は対応CUDAバージョンが決まっているため、互換性エラーを防止できます。
- バージョン差が原因で「CUDAError」や「バイナリ互換性エラー」が発生することがあります。
- 複数プロジェクトで環境を統一するための指標となります。
まとめ
Google Colabの環境は定期的にアップデートされており、CUDAのバージョンも変化します。
使用するライブラリのバージョンとの互換性を確認するためにも、作業前にCUDAのバージョンをチェックするのがおすすめです。
これを機に、ぜひ毎回の作業前に CUDA の確認を行い、安心して開発を進めてください。この記事は、内容の更新に合わせて随時アップデート予定です。
よくあるトラブルと対策
- nvccが使えない: CUDA Toolkit 自体がインストールされていない場合。
!nvidia-smi
でCUDAの確認も可能。 - 互換性エラー: ランタイムの再起動、または該当ライブラリのバージョン指定インストールを試してください。
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